「江東0メートル地帯」の今

西大島駅

気候温暖化の影響なのか、気象災害が年々大型化してきているようで心配だ。

今月10日には、茨城・栃木・宮城の各県に特別大雨警報が出され、堤防が決壊するなど大きな被害を出した。

私が現在住んでいる江東区は、かつて「江東ゼロメートル地帯」とよばれていたところだから、水害の被害は他人ごとではない。

近くの地下鉄・新宿線の西大島駅の入り口には、「海抜 約-0.8m」との表示がある。

海抜とは、明治時代、東京湾で行った潮位観測による「東京湾平均海面」が、海抜の基準とのことだ。

簡単に言えば、東京湾の平均海面より、低い場所ということになる。

0メートル地帯

地図で見ると、荒川と隅田川に挟まれた三角形の地域の、下部にあたるところが「江東0メートル地帯」になる。

現在、この地域を流れる運河・河川が隅田川や荒川と合流する場所には水門が設けられ、水の出入りをコントロールしている。

その結果、ゼロメートル地帯を流れる川の水位は、荒川や隅田川より、かなり低くなっている。

小名木川の護岸

江戸時代、徳川家康の命で作られた運河の小名木川。

水位が低くなったことで、かつての護岸の最上部は取り除かれ、運河の両岸には遊歩道が整備されている。

この階段を上がった所に、かつての護岸の一部が残されている。

昔の護岸はこんなに高かった

昔は、こうした高い護岸によって水害から守られてきたことがわかる。

それでは、小名木川の水位は、荒川の水位とどれだけ違うのだろうか。

荒川ロックゲート

小名木川・旧中川と荒川との合流点には、荒川ロックゲートと呼ばれる閘門(こうもん)がある。

閘門とは水位の異なる2つの河川をつなぐための施設で、小名木川・旧中川と荒川の水位差は最大で3.1mもあるという。

これが実物

これが荒川ロックゲートの閘門。

プールのようになった所の側面に、水位が表示されていた。

水位の表示

一番下のところに、江東内部河川の平均的な水位と書いてある。

この日の水位は、東京湾の平均海面より2メートル近くも低かった。

水位が低いということは、大雨に対しても、雨量を受け止める余裕があるということなのだろう。

勿論、この地域内に大雨が降れば、ポンプによって荒川へと絶えず放出しなければならない。

雨水を排出するポンプ場の整備も必要

現在、荒川ロックゲートのすぐ隣に、「小松川第二ポンプ所」が建設されている。

雨水を集めて流す能力が高い下水幹線と同時に工事がすすめられているのだが、ポンプ所の完成はまだ先のようだ。

建設現場に掲示してある「建築計画のお知らせ」には

着工     2004年5月1日   
完了予定  2020年3月31日  と書かれているから16年にも亘る大工事、東京オリンピックの年まで待たなければならない。

今回の洪水を考えると「一刻も早く完成させてほしい」というのが、正直なところだ。

スーパー堤防

もう一つ、水害を防止するうえで大切なのは、堤防の強化だ。

堤防の決壊は本当に恐ろしい。

ここは、荒川が東京湾に注ぎ込む直前の右岸の堤防。

画面左奥が荒川の上流になる。

ここを走っていたら、この辺りは”「スーパー堤防」の仕様で作られている」と書いた案内板が立っていた。

スーパー堤防の案内

スーパー堤防とは、堤防の幅が、高さの30倍ある堤防だという。

「予想を超える大きな越水があっても、水が緩やかに流れ、被害が最小限になる」

「長時間の洪水で堤防に水が浸み込んでも壊れることがない」と書いてある。

確かにスーパー堤防なら、今回関東・東北で起きたような河川の決壊は起きないかもしれない。

しかし、荒川沿いに築造された長い堤防のすべてがスーパー堤防ではない。

何度も言うが、近ごろは、昔と比べて雨の降り方が尋常ではないとの思いが強い。

予想を超える大雨はこれからも降るのだろう。

水害が起きないように、「細心、そして早急な取り組み」を 心から願うばかりだ。

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め組のかった

Author:め組のかった
「惑わず」の年から走り始めて四半世紀。還暦で初フルマラソンを走り、2010年には66キロのウルトラを制限時間ギリギリで完走。現在も月に200キロ以上を目標に走り込みながら、写真を撮っている。
このブログは、ジョギング中に撮り貯めた写真によるフォトエッセイを目指している。
タイトルは「おくのほそ道」をもじってみたのだが、さて、わかるかなあ?

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