「年年歳歳花相似たり」?

二の丸庭園・諏訪の茶屋

3月に入っても、今年の東京は寒い日が続いている。

とはいえ、各地ですでに梅の花が咲き始めているので、私の好きな梅の名所の「皇居東御苑」を訪ねることにした。

江戸城大手門から入り、「二の丸庭園」の方に向かう。

全体に枯れ草色が目立つ中、「諏訪の茶屋」付近では、咲き始めた梅が初春の風景を作り出そうとしていた。

ここから「梅林坂」は、すぐ近い。

梅林坂

”梅林坂は、本丸と二の丸を結ぶ坂です。

文明10年(1478年)太田道灌が、天神社を祀り、数百株の梅を植えたので梅林坂の名がついたといわれています。

現在、約50本の紅白の梅が植えられています”

と書かれた説明板が坂の途中に立っている。

今回、梅林坂を訪ねたのは3月8日のこと。

「全体に華やかさが少なく、まだ開花が遅れているのかな?」というのが第一印象だった。

しかし近づいてみると、花をほとんど落としてしまった木がある一方、まだつぼみを多く抱えた木もあった。

例年にない大雪や長引く寒さなど、例年にない気象環境の中、日当たりの具合や品種の違いによって、開花時期が大きく異なってしまったようだ。

石垣の間の小鳥も梅を見ていた

石垣の隙間に小鳥。

どこか、梅の花を見ているようにも見えた。

外国人の姿も多い

外国人の姿も少なくない。

このアングルで写真を撮っていると、「年年歳歳花相似たり 歳歳年年人同じからず」という有名な漢詩の一節を思い出した。

劉廷芝の「代悲白頭翁(白頭を悲しむ翁に代りて)という漢詩だが、その一部を。


「白頭を悲しむ翁に代わる」


古人また洛城の東に無く

今人また対す落花の風

年年歳歳花相似たり

歳歳年年人同じからず

言を寄す全盛の紅顔子

應に憐れむべし半死の白頭翁

此翁白頭真に憐れむべし

伊れ昔紅顔の美少年



”毎年毎年咲く花は同じだが、それを愛でる人は年ごとに違う。

今、若さの盛りの中にある人に申し上げたい。

人生の残りが少なく白髪になった老人も、昔は若く美少年だったということを”


そして、この場所で2年前に撮った写真をご覧いただきたい。

2012年3月15日

あの日、卒業式を迎えた女性たちが、ここで記念写真を撮っていた。

まさに、梅花と競うように輝かしい光景だ。

「花のかんばせ」という表現があることを思い出したが、それはどんな意味なのか知らなかったので辞書で調べてみた。

すると、漢字では「花の顔」と書くことがわかった。

意味は「花のように美しい顔」。

まさに、この年頃の人達を形容する時にふさわしそうな表現だ。

しかし、その彼女たちも卒業してから2年たつ、それなりの人生の年輪を重ねているはず。

大雪で枝が折れていた

去年と同じように咲いているはずの梅の木に近づいてみた。

すると、見るも無残。

この冬の2度に亘る大雪の影響だろうか、幹が折れ、枝の先端は地面についてしまっている。

決して「年年歳歳 花相似たり」ではなかった。

「歳歳年年人も花も同じからず」なのだということを改めて知らされた。

命あるものすべてに共通する「宿命」だ。

江戸城天守台

梅林坂をのぼり、本丸跡へ向かった。

天守台が、圧倒的な迫力で迎えてくれる。

こちらも、全体にまだ冬枯れの色が広がっているが、天守台のすぐ裏のところでピンクの花が咲いているのが見えた。

河津桜

河津桜だ。

満開になっていた。


今年 花落ちて 顔色改まり

明年 花開くも 復た誰か在る



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プロフィール

め組のかった

Author:め組のかった
「惑わず」の年から走り始めて四半世紀。還暦で初フルマラソンを走り、2010年には66キロのウルトラを制限時間ギリギリで完走。現在も月に200キロ以上を目標に走り込みながら、写真を撮っている。
このブログは、ジョギング中に撮り貯めた写真によるフォトエッセイを目指している。
タイトルは「おくのほそ道」をもじってみたのだが、さて、わかるかなあ?

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