お祭り~旧町名が復活する日


芝大神宮の秋祭り
今年も秋祭りの季節を迎えた。

氏神様の芝大神宮、通称「神明様」の祭りのクライマックスである宮神輿の巡幸が、9月15日に行われた。

台風18号が接近する中、朝方に行われた神輿の宮出しでは、一時期猛烈な雨に見舞われたが、その後は晴れ間も広がる天気となった。

昼過ぎのこの時間、宮神輿は各町内を巡幸しているせいか、境内に人影は少ない。

台風接近の影響もあったのかもしれない。

まつり期間は旧町名が復活する

祭りの案内には、全部で24の氏子町名が書いてある。

北は新橋から南は西応寺(オランダ公使館が初めて置かれた)、西は麻布十番に至る広い地域にまたがる。

氏子町内として書かれている町名の中で、現在も住居表示で使われている町名は殆んどない。

僅かに、新橋、浜松町、大門、芝公園、東麻布といった町名は、今も使われているが、その他の町名については、地図から姿を消してしまった。

ところが、姿を消してしまった町名が、祭りの期間だけ復活する。

新堀町会のお神酒所

私の住む地区の町会は新堀町会。

住居表示が「芝2丁目、3丁目」と変わるまでは、芝新堀町といった。

お神酒所には新堀町と染め抜いた幕が飾られ、その雰囲気は昔と少しも変わらない。

町会員からの寄付の受け付けや祭りの準備に忙しい。

宮神輿の御旅所

9月15日の「宮神輿」の巡幸では、御旅所が2か所に設けられた。

東の御旅所は、JR浜松町駅に近い高層ビルの敷地内。

祭りの景色は、私が子供の頃と比べると大きく変わった。

昔は、神輿は木造の家並をぬうようにして担がれたものだった。

今は、ビルの谷間を通ってゆく。

露月待ちなど

祭り半纏の背中に書かれた町会名を見ても、それがどのあたりにある町会なのかよくわからない。

私でさえそうなのだから、若い連中には皆目わからないだろう。

「露月町」をネットで調べてみると

”「露月町(ろうげつちょう)」は、現在の新橋5丁目付近、以前は日比谷にあった老月町が移転してきた町。遠山金四郎の屋敷は、近くにあった”

と、書かれていた。

この説明から、露月町の人が、地名に強い誇りと愛着を持っているだろうことは、容易に想像できる。

江戸っ子ゆかりの地として、昔から「芝で生まれて神田で育つ」といわれるように、「神田と芝」がよく知られる。

共に、町人の地として、歴史と結びついた沢山の町名が伝えられてきた。

その後、郵便物の配達に便利なようにと新しい住居表示が施行される中で、歴史的な地名は全国各地で姿を消していった。

芝も歴史的地名の多くを失ったが、一方の神田は、多くの地名を今も残していて、対照的だ。

その背景には、神田の人たちが、地名に深い愛着とこだわりを持っていたことを想像させる。

私にしてみれば、郵便番号の普及と、機械による仕分け等で、旧来の地名を残したままでもよかったのではないかと思うのだが。

もう、元に戻すことはできないのだろうか。

金杉橋の上

金杉橋の上で、太鼓グループによる協賛の演奏が行われていた。

私も、一時期、太鼓の手ほどきを受けたことのある団体だ。
元気な演奏で宮神輿を出迎えていた。

金杉という地名も、今はこの橋だけに残っていて、現在、金杉町は芝1丁目に代わっている。

神輿が町内に入ってきた

宮神輿が「新堀町」に入ってきた。

町内では、町内に住む人が中心となって神輿を担ぐことになっている。

我が町会は、婦人部が元気。
見ていても頼もしい。

遺影に神輿を見せて

そして、沿道では、今年の祭りの前に亡くなった前町会長の写真がかかげられていた。

「祭りに長い間関わってきた故人に、この神輿を見せてやりたい」という気持ちが、こちらにも伝わってくる。

若い人が仲間に入ってくる

他方、町内の若い人たちも、神輿を担ぐことで、町会の新しい仲間に入ってくる。

中学生・高校生も、大人に交じって元気な声を出して神輿を担いでいた。

外孫も祭りに参加

我が家の外孫も、神社の手拭いで作ったダボシャツを着て、今年が祭りの初参加。

こうして、祭りによって昔からの地域社会が若い世代へと受け継がれてゆく。

街が変わってゆく中で、人間同士のつながりが少しでも伝えられて行けばと思う。
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め組のかった

Author:め組のかった
「惑わず」の年から走り始めて四半世紀。還暦で初フルマラソンを走り、2010年には66キロのウルトラを制限時間ギリギリで完走。現在も月に200キロ以上を目標に走り込みながら、写真を撮っている。
このブログは、ジョギング中に撮り貯めた写真によるフォトエッセイを目指している。
タイトルは「おくのほそ道」をもじってみたのだが、さて、わかるかなあ?

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