北海道の道路を走るのは「命がけ」


白糠駅

この日は、少し長距離を走ろうと、JRのローカル線に乗って、釧路の西隣りの町・白糠町の白糠駅まで行った。

私の出発地の最寄駅である新富士駅から白糠駅まで、距離は約24キロある。

白糠駅から、太平洋沿いの国道を、釧路まで走って帰ろうという計画だ。

こんな看板が

白糠駅前には、全国的に名前が知られる焼酎の「鍛高譚(たんたかたん)」の看板が建っていた。

鍛高とは白糠の地名で、譚とは「物語」という意味だから「鍛高の物語」とでもいう意味だ。

鍛高在住の町民が自家栽培のシソを原料に焼酎を作っていて、それを製品化できないかとメーカーに声をかけたのが、製品化のきっかけになったというところからきている。

白糠港

右手に太平洋を見ながら走り出すと、すぐに白糠港が見えてくる。

今年は、沖合を回遊するサケ・「トキシラズ」の定置網に、クロマグロが例年にないほど獲れてるという。

沖合の海水温が、例年より高いためとのことだ。

原半左エ門

白糠町役場の近く、厳島神社の入り口に、「原半左衛門 縁の地」と書かれた碑が建っている。

原半左衛門とは、将軍の護衛として、甲州街道や日光東照宮の警備にあたる「八王子千人同心」の頭のひとり。

八王子千人同心は、同心100人で一組。
それが10組からなっていて、原半左衛門は頭10人のうちの一人だった。

寛政12年(1800)3月、原半左衛門は、蝦夷地の交通要所の警備と開拓のため、八王子を出発。

一行130人のうち半数は弟とともに勇払に、原半左衛門たち65人は白糠に入った。

同じ年の5月21日、日本地図を作るため蝦夷地に入っていた伊能忠敬がシラヌカに泊まり、その宿に八王子同心が訪ねたという記録が残っているという。

しかし、蝦夷地は酷寒の地だったため、犠牲者が出るなど困難を極め、原半左衛門は数年後に、この地を離れている。

右手は海

しばらく海岸沿いを走っていると、堤防に腰掛け、海を見つめている少年がいた。

「絵になるなあ」と思い写真を撮ったが、左に意味不明な看板が建っている。

「無料 波あります」と書いてある。

皆さんは、この看板の意味がわかるでしょうか。

しばらく考えていたら、その意味が分かった。

写真には写っていないが、この左側に、この少年の母親とみられる人が乗った車が駐車していた。

つまり、ここは無料の駐車場で、時折、波が車の近くまで来ますよ、ということのようだ。

恋問橋

北海道の地名には、アイヌ語由来のものに漢字をあてて、ロマンチックなイメージになったものが少なくない。

この「恋問橋」も、その一つ。

「コイトイ」とは、「風や波がある時に、ここまで波の来る所」という意味で、道内にはほかにも同じ地名がいくつかあるとのこと。

ここから、安全な歩道がない

ところが、この恋問の付近は、原野を切り開いて道路を作ったところで、あたりに人家はない。

そのためか、道路には車道より一段高くなった歩道がないうえ、歩道の幅も狭い。

歩行者やジョガーは、白線の右側の狭いところを通らなければならない。

しかも、通過する車は、すごいスピードで走りぬけてゆく。

大型トラックとすれ違う時は、帽子を押さえて飛ばされないようにするが、帽子どころか体全体が飛ばされそうになる。

ここでは、安心できる歩道が「ない」状態で5キロ近く走ったが、こうした道路はここだけではない。

道東では、主要都市間を結ぶ幹線道路をはじめ、地方の道路も、安全な歩道の付いた道はほとんどない。

今の財政状況では、主な道路に歩道を作るというのは、優先順位からするとそれほど高くはないのだろうが、自らの足で国土を体感するために、歩道がもっとあると、うれしいのだが。

人家のあるところまで歩道はなかった

釧路市の入り口である大楽毛(おたのしけ)で、国道から別れた。

道路沿いに、幼木が植樹されていた。

木の名前は「チシマザクラ」。

千島地方に自生していたことに、その名の由来があるという。

道東で桜といえば、ソメイヨシノではなく、エゾヤマザクラやチシマザクラ。

厚岸町の子野日(ねのひ)公園で行われる「桜まつり」は、毎年5月下旬。

日本で一番遅い花見として知られている。

こうして、北海道らしい桜が増えることで、桜の時期は、本州とは違った春の風景を見せてくれることだろう。
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

め組のかった

Author:め組のかった
「惑わず」の年から走り始めて四半世紀。還暦で初フルマラソンを走り、2010年には66キロのウルトラを制限時間ギリギリで完走。現在も月に200キロ以上を目標に走り込みながら、写真を撮っている。
このブログは、ジョギング中に撮り貯めた写真によるフォトエッセイを目指している。
タイトルは「おくのほそ道」をもじってみたのだが、さて、わかるかなあ?

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
スポンサードリンク
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR