今年の夏は「釧路」が一段と目立つ


海難物故者慰霊碑

釧路市の東隣り・釧路町の「シレパ岬」に建つ海難物故者供養塔。

供養塔は岬の先端近く、太平洋に向いて建っているが、この日も濃い霧に覆われ、文字もよく見えない。

今年は例年にない猛暑が全国的に続き、四国の四万十市では40度以上を記録した日が4日も続くという大変な夏になっている。

その中で、釧路だけは、今年も最高気温が20度台前半の日が続いている。

週間天気予報でも「今後1週間は、釧路をのぞいて全国的に猛暑が続きそうです」とのコメントが続いている。

そんな気象予報士のコメントは、釧路の冷涼な夏を、かなりPRしたのに違いないと思う。

ローソク岩

釧路・道東を涼しくしているのは、夏に多く発生する「霧」。

太平洋高気圧から吹き出す南風が、釧路沖をながれる寒流(親潮)などの上を通ることで冷やされ、霧が発生。

それが海岸部に流れ込んでくるのだ。

霧の中の海難で命を失った人も少なくないが、

この霧は北海道に入植して農業開拓を志した多くの人たちの夢をも打ち砕いてきた。

シレパ岬の観光名所・ローソク岩のてっぺんには、鳥居が建っている。

この地の厳しい自然と闘ってきた人たちの、思いが込められているのだろう。

鳥取県士族入植の地

釧路市内に「鳥取」という地名がある。

鳥取県士族の人たちが、北の大地での豊かな暮らしを夢見て、入植したところだ。

ところが、この地ではコメは作れない。

夏場でも生えるのは草だけだから、牛を飼っての酪農でしか農業を続けることはできなかった。

多くの人は、夢破れてこの地を離れていった。

香川県から入植した人は、この地で讃岐三白と呼ばれる「砂糖、塩、綿」の栽培を夢見て、故郷から重い「ひき臼」を運んできたのだが、ひき臼が自らの墓石になっている話を以前紹介した。(2012年8月2日「恨みのひき臼」)

つぶれた飲食街

釧路では、人口の減少が進んで元気がない。

昔20万人を超えていたものが、周辺自治体を合併しても18万人しかいない。

釧路市でも、この霧と涼しさを生かして「町おこし」をしようと力を入れている。

「長期滞在」の呼びかけだ。

しかし、またまだブームを起こすほどの大きな反応はないようだ。

街を包む霧

地球温暖化の影響だろうか、北海道をめぐる農業環境は、このところ大きく変わってきている。

一昔前は、「北海道産のコメ」といえば「まずいコメ」の代名詞であったのだが、今は違う。

食味が、コシヒカリに負けない北海道産のコメが、「きらら」、「ほしのゆめ」、「ななつぼし」など、続出している。

これは、品種改良の成果もあるだろうが、気候の温暖化も幾分は関係しているのかもしれない。

天然冷蔵庫

その中で道東の沿岸部では、現在でも「コメの作付」は一切ない。

開拓者を泣かせ続けてきた「霧」が、現在も街を包んでいるからだ。

その霧が、「街の活性化」に大きな役割を果たす日は、果たして来るのかどうか、気になるところだ。

霧が町に活気を与え、「名誉挽回」する日が来ることを願っている。
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め組のかった

Author:め組のかった
「惑わず」の年から走り始めて四半世紀。還暦で初フルマラソンを走り、2010年には66キロのウルトラを制限時間ギリギリで完走。現在も月に200キロ以上を目標に走り込みながら、写真を撮っている。
このブログは、ジョギング中に撮り貯めた写真によるフォトエッセイを目指している。
タイトルは「おくのほそ道」をもじってみたのだが、さて、わかるかなあ?

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