裸足で走れる道に

ここは、JR浜松町から竹芝桟橋の方へ向かう途中にある、海岸通りの交差点。
信号待ちをしている時、ふと足元を見ると、ビンが割れ、ガラスが散乱していた。

よく見ると、ガラスの細かい破片が、車道の方にも飛び散っている。
誰か、心ない人がビンを割り、かたずけることなくそのままにして行ってしまったのだろう。

このガラスの状況を見て思い出したのは、先日の東京マラソンのこのランナーのこと。
実は当日、このように裸足で走っているのを見て、はたして危険はないのかと、ふと心配になったのだ。
幸い、その後怪我をしたという話はニュースその他から聞こえてこないので、日本の道路もきれいで安全になったものだと思ったばかりだった。

「裸足のランナー」といえば、すぐ思い出すのが、オリンピックのマラソン2連覇をしたエチオピアのアベベ。
昭和39年の東京オリンピックで、ローマ大会に続いてマラソン2連覇を達成したのだった。
アベベは、ローマでは裸足で走ったので有名になっていたが、東京では靴を履いて走っている。

アベベがローマで裸足で走ったのは、急遽オリンピック選手となり、自分の足に合う靴を見つけられなかったという理由からだが、裸足を可能にしたのはローマの道路がきれいで安全だったからだろう。
東京オリンピックのマラソンコースは、甲州街道の調布折り返しだった。
昭和30年代の日本の道路は、釘、金属片などが落ちていて、決して安全ではなかっただろう。
東京オリンピックの時、アベベは靴を見つける十分な時間があったので靴を履いていたが、当時の道路事情を考えると靴を履いてくれてよかったと思う。

東京マラソンの沿道観客数は推定で172万人に上るという。
東京マラソンは、今年の大会から世界の5つの都市で開かれてきたワールド・マラソン・メジャーズの一員に加わった。
その5つの都市とは、ボストン、ロンドン、ベルリン、シカゴ、ニューヨーク。
東京マラソンが、このような世界の有名都市に負けない魅力的なマラソン大会に育っていってほしい。
そのためには、道路にガラスが散乱するようなことのない、きれいで安全な道路、町であってほしいと思うのは私だけだろうか。
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