都立施設の壁面がキャンバス

神宮外苑から青山墓地を通り、六本木の方に向かって走っていた。

六本木トンネルまで来ると、こんなパネルがトンネルの壁面に見えた。
タイトルは「ストリートペインティング事業」。
「都立施設の壁面を新進アーティストの表現の場として提供すると共に、都市の中の芸術空間を拡大することを目指す」と書いてある。
東京都が、意欲ある若手作家にこのトンネルの壁面をキャンバスとして開放したのだ。

作品は、それぞれとても大きい。
これは「Roppongi Seaside Tunnel」という題がついている。
東京都のホームページを見ると、ここ「六本木トンネル」での事業は平成16年度に行ったものだ。
その後、駒沢オリンピック公園、代々木公園、東京体育館でも実施されている。

この作品のタイトルは「夕方の絵」。
このストリートペインティング事業での募集要項はどんなものだろうか。
平成20年度に東京体育館の敷地壁面を対象に募集した際には、こんな内容だった。
日本在住の35歳以下のアーチストで、制作実績があり、指定するテーマに沿った作品を制作できる・・・などとなっていた。

この作品は「東京八景」。
募集要項には、キャンバスは公共空間であることから「政治、宗教、性、営利等の表現は審査から除外する」とも書かれていた。

これは「ジッパー」という作品。
都のホームページには、平成20年度以降の新たな作品は紹介されていないので、その後、この事業がどうなっているのか不明だ。

六本木トンネルの壁面のうち半分は、まだ何も書かれず綺麗なままになっている。
何も書かれていない壁面には、こんな注意が書かれていた。

どうせ落書きを監視するなら、あの空間を若手アーチストに開放してやって欲しい。

トンネルを通り抜けると、正面に六本木ヒルズの建物が見えてくる。
この付近は、人通りもまずまずある場所だ。
あとの半分の空間を何故、開放しないのだろうと思う。
走っていて、こんな芸術空間と出会うと楽しくなる。
こんな空間が、都内のあちこちに、もっともっと増えて欲しいと思った。
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