福井県の皆さんへ~「郷土の偉人」を大切にしよう


福井駅

JR福井駅。
北陸新幹線の整備に合わせて、駅も綺麗になった。

駅前も整理されたが、人通りはさっぱりだ。

富山と比べるとだいぶ少ないし、隣県の金沢と比べても寂しい。

北陸新幹線は、2014年度中に、長野以北、上越から富山を経て金沢までの区間が開業となる。

この結果、これまで長野新幹線と言われてきた路線名も、正式に「北陸新幹線」と言われるようになるはずだ。

開業すると金沢までの所要時間は、これまでの3時間半余りから2時間25分程度に短縮される。

3時間が、陸路と空路利用の境目の時間と言われるから、開業すれば陸路の新幹線の利用客が増えるはずだ。

福井地裁

金沢以西、敦賀までの着工認可は2012年の6月にあった。
その部分の開業は2025年度の予定だ。

これから新幹線時代を迎えて元気を出さなければならないのに、福井は元気がない。

中心部にある名建築の福井地裁の付近にも、人影がほとんどない。

地図

地図の下部、福井地裁の左の方に「笠原白翁除痘館跡」という文字が見える。

笠原白翁とは幕末の福井の町医者で、日本で種痘の普及に大きな貢献をした人物だ。

事実をじっくり取材してドキュメンタリーのように小説を書き上げる吉村昭の作品「雪の花」の主人公だ。

福井は私の青春の地の一つでもある。

福井市に久しぶりに行く機会に、是非この碑を見たいと思っていた。


碑は、この地図だと、福井合同庁舎の敷地内にあるように書かれている。

ところが、この地図に書かれているあたりを何度見ても、それらしいものは見当たらない。

合同庁舎

通りかかった人、3人ほどに聞いてみたがわからない。

県の合同庁舎は土曜日で扉がしまっていたが、裏口のインターフォンで訪ねてみた。

「笠原白翁の碑は、この辺にありませんか?」と。

すると「知りません」と、短く冷たい返事。

「合同庁舎で働く方ですね?」と確認すると「そうです」との答え。

「種痘の治療に力を尽くした人の碑が、このあたりにあると地図に載っているんです」と付け加えたが
「ごめんなさい、知りません」とのことだった。

道路際にあった

そんなやりとりのあと、合同庁舎の前の通りを見てみると、それらしい碑があった。

「こんなに近くに碑があるのに、県の職員が知らない」
少し、情けなくなってしまった。

「県の職員なら、それくらいのことは知っていて欲しい」と。

笠原白翁

碑には、笠原白翁の写真とともに、その人生について記されていた。

白翁は、文化6年(1809)今の福井市に、医師の長男として生まれた。名は良策。

20歳の頃から3年に亘り、江戸で医術を収める。

1839年、1843年と天然痘が流行し、「少子過半死ス」との記録が残る。

牛痘接種法を知った白翁は、藩主・松平春嶽に牛痘を取り寄せるよう2回にわたり建言。

痘苗(ワクチン)を、海外から輸入するためには、そうするより方法はなかったのだ。

写真

1849年、白翁は、オランダ船によってもたらされた痘苗を京都で手に入れる。

漢方医を中心とする中傷などで普及はなかなか進まなかったが、藩の重臣・中根雪江などの協力で徐々に普及。

白翁が手にした痘苗は、その後大坂、江戸、金沢、富山へと送られ、天然痘から多くの命を救うことになる。

日本における種痘の普及に大きな足跡を残した人物だ。

説明

この小説のクライマックスは、京都で手にした痘苗を福井に持ち帰るまでのくだりだ。

当時、痘苗は人から人へと植えつぐ以外は保存する方法はなかった。

そのため白翁は、痘苗を摂取した子供たちを連れ、雪の栃ノ木峠を決死の覚悟で越え、福井に種痘をもたらしたのだった。

墓

白翁はその後、自宅隣りに仮除痘館を開き種痘の接種を行った。

福井で天然痘が流行したのは、その3年後のこと。

そして、それから130年後の1980年、WHO(世界保健機構)は「天然痘は絶滅した」と宣言している。

白翁の墓は福井市郊外の大安寺にある。


なお、
この大安寺は、歴代福井藩主の墓所があるところでもある。

昔、よく訪ねたお寺だ。

福井藩祖・結城秀康は徳川家康の2男で2代将軍秀忠の兄。
その子の忠直は、関ヶ原の戦いで戦功をあげたが、ご乱行で大分での隠居を申し付けられる。

菊池寛の「忠直卿行状記」で知られる人物だが、忠直の墓は、ここにはなかったことが印象深い。
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プロフィール

め組のかった

Author:め組のかった
「惑わず」の年から走り始めて四半世紀。還暦で初フルマラソンを走り、2010年には66キロのウルトラを制限時間ギリギリで完走。現在も月に200キロ以上を目標に走り込みながら、写真を撮っている。
このブログは、ジョギング中に撮り貯めた写真によるフォトエッセイを目指している。
タイトルは「おくのほそ道」をもじってみたのだが、さて、わかるかなあ?

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