日比谷公園~日本初の洋風近代化公園



日比谷公園大噴水

日比谷公園のシンボルともいえる「大噴水」。

この噴水のまわりでは、一年中、様々なイベントが開かれ、多くの人たちで賑わう。

この日比谷公園は皇居のすぐ近くということで、江戸時代には萩藩・毛利家、佐賀藩・鍋島家など大藩の上屋敷が置かれていた。

明治になって陸軍練兵場となったが、もともと入江だったため地盤が悪く、大掛かりな建物の建設には不向きと判断され、日本初の「洋風近代化公園」として計画、設計、造成された。

明治36年6月1日に開園している。
今年で開園109年を迎えた。

スイレン

6月、バラに変わって、きれいな花を咲かせていたのはスイレン。

ラベンダー

ラベンダーの花にモンシロチョウが集まってきていた。

長い歴史を持つ日比谷公園の中には、日本近代史の一端を物語る物があちらこちらに残されている。その中からいくつかご紹介しよう。

石貨

これは南太平洋のヤップ島(現、ミクロネシア連邦)で使われていたという石貨、つまり石の貨幣。

心字池の近くにある。

説明には
「石貨は小さいもので6センチ位から大きいもので直径3メートルに達するものがあります。
一般に価値は、1、直径の大小 2、表面が滑らかか粗いか 3、形の良しあし 4、運搬の難易によって決められました。

この石貨は長径1.35m、短径1.00mのほぼ円形をしており、大正13年頃には現在の1000円位で通用したといわれています。
大正14年、ヤップ島支庁長寄贈」と書いてある。

石の貨幣とは珍しい。
ウィキペディアで調べてみると
「大理石はヤップ島では産出せず、500キロ離れたパラオ島から切り出し、筏に載せて持ち帰った。その苦労度が高い石貨ほど値打ちがあるものとされる。日常物品の購入に使われるのでなく、冠婚葬祭時に送られる儀礼的贈答品として使われる」と書いてある。

それと共にこの石貨は、ミクロネシアが戦前の一時期、日本と深いかかわりを持っていたことを物語るものでもある。

それは、「大正14年、ヤップ島支庁長寄贈」という文字にある。

第一次大戦後の1920年、国際連盟は日本にミクロネシアの統治を委任、日本は南洋庁を設置して委任統治にあたった。
この石貨は、南洋庁のヤップ支庁長から寄贈されたものなのだ。

このため日本から多くの人たちが島に渡り、漁業などの経済活動をしてミクロネシアの人たちと深いかかわりをもつことになった。

このため、今でも島の高齢者の中には日本語を話せる人もいるという。

ルーパロマーナ

これは第一花壇のそばにある「ルーパロマーナ」といわれる像だ。

「この彫像は昭和13年にイタリアから東京市に寄贈されたもので、ローマ建国の大業を成し遂げたロムルス、レムス兄弟の伝説に基づいた像です。

幼い兄弟は祖父を殺し王位を奪ったアムリウスによってチベル河に流されましたが、忽然と現れた一匹の牝狼に助けられ、その乳を飲んで成長し、成人した兄弟は祖父の仇を討ちローマを統一したといわれています」と説明にある。

昭和13年とあるが、その前年の12年には「日独伊防共協定」が締結されている。

そんな背景もあって、この彫像が東京市に送られたのだろう。

南極の石

これは、南極の石。
ロープの下から、半分以上、道路に出てきている。

誰かが、力任せに持ち上げて動かしたのだろうか。

説明によると「昭和基地から4キロの地点にある東オングル島で採取、重さが150キロの片麻岩。
『ふじ』が持ち帰り、昭和41年4月設置」と書いてある。

宇宙から惑星の物質を採取して持ち帰る時代になり、南極の石の感動も薄れたようで、無造作に公園の中に転がっていた。

松本楼

そして、もう一つ歴史の舞台となった場所がある。
公園内にある「日比谷松本楼」だ。

松本楼は、入札によって日比谷公園の開園と共に営業を始めているが、ここは中国建国の父・孫文と夫人になった宋慶齢にとっての思い出の地でもあるのだ。

HPによると、日比谷松本楼の現常務の曾祖父にあたる梅屋庄吉という人は、香港で写真館を経営していた時に孫文と出会い、孫文の思想に共鳴。

帰国後、日活などを設立し稼いだ財産を孫文の活動のために援助したという。
(京橋にある東京国立近代美術館フィルムセンターで、白瀬矗中尉等による日本初の南極探検を撮影した記録映画を見ることができる。その映像を記録したのは、日活の前身であるM・パテー商会で、梅屋庄吉が設立者の一人だ)

1915年には、日本を訪れた孫文と宋慶齢は松本楼で会い、梅屋夫妻の尽力で梅屋邸で結婚することになる。

宋慶齢は、「宋家3姉妹」の一人として知られ、新中国の建国後、国家副主席などとして活躍した人物。

このため、4年前の平成20年、胡錦濤主席が来日した際、福田康夫総理(当時)主催の夕食会がここで開かれている。

日本のみならず中国の国民にも広く知ってもらいたい事実だ。

公園の案内

これは、公園内の記念物や、珍しい植物を記した案内。

日比谷交差点にある駐在所にあった物を撮らせてもらった。

日比谷公園の中には、この他にも、まだまだ面白そうなものがありそうだ。

いつかまた、紹介できるかもしれない。


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め組のかった

Author:め組のかった
「惑わず」の年から走り始めて四半世紀。還暦で初フルマラソンを走り、2010年には66キロのウルトラを制限時間ギリギリで完走。現在も月に200キロ以上を目標に走り込みながら、写真を撮っている。
このブログは、ジョギング中に撮り貯めた写真によるフォトエッセイを目指している。
タイトルは「おくのほそ道」をもじってみたのだが、さて、わかるかなあ?

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