タケノコを食べる文化

富士を望む地

富士山を望む自然豊かな地に、「タケノコ掘り」に招かれた。

鮮やかな新緑のなかで、散り残った山桜が、うっすらとピンク色に見えている。

生憎の曇り空で富士山は見えなかった。

道具

まず、タケノコ彫りに必要な道具を紹介しよう。
タケノコを掘るのに使ったのは、この4種類の道具。

これに加えて、のこぎりも使用した。
掘ってゆくうちに、地下を走る竹の太い根っこにぶつかり、のこぎりは絶対に必要な道具だった。

自然薯掘りの道具

因みに、この道具は秋の自然薯掘りに使う道具。

地中深く潜っている自然薯を傷つけずに掘り出すには、こうした専門の道具が必要だ。

山の恵みを手に入れるためには、自然・植物の知識に加えて、適切な道具を用意しなければならない。

竹林へ

早朝、竹林に向かう。

斜面がかなり急なところで、作業も大変な場所だ。

ある日本料理店のホームページに、タケノコの定義についてこんなふうに書かれていた。
「タケノコは、芽が出てから10日以内のものをいい、それを過ぎると竹になってしまいます」

地上からわずかに頭を出し始めた芽こそがタケノコ。

目を凝らして、竹林の中のわずかな突起を探す。

深く掘り進む

地下に潜っている部分の周辺の土を取り除くのは、かなりの重労働だ。

本体を傷つけず、ここまで掘り進むのには、体力も使うし気も使う。

しかし、ここまでくれば、あとは掘り取るだけ。

思わず万歳

思わず「やったぞー、バンザーイ」の声が上がる。

しかし、その喜びも、はじめのうちだけ。

掘り進むうち、かなりの重労働ゆえに、「タケノコを新たに見つけたら罰金」などの言葉も聞こえてくるようになる。
作業は2時間ほどで終了。

刺身

収穫後、さっそく料理を始める。

あくの強いタケノコは素早い「あと処理」が欠かせない。

これは、掘りたてでないと食べられない「タケノコの刺身」。

あくを嫌って、さっと湯がいたが、僅かなえぐみは残っていた。
でも、それが春の味わいなのだろう。

ホイル焼き

これは、小ぶりなタケノコをホイル焼きにしたもの。

焦げた皮をむいて、取り出したタケノコは、えぐみもなくちょうど良い歯ごたえだった。

初めのひとくちは何もつけず、次は、ちょっと醤油を付けていただいた。

タケノコご飯

タケノコご飯は、前日にとってあく抜きをしておいたタケノコで作った。

酢飯に、タケノコと油揚げを混ぜて作ったもので、私の母親が作るのは、いつもこのスタイルだった。

「炊き込みご飯」もおいしいが、私には酢飯の方が一層おいしい。

皆さんのお宅の「タケノコご飯」は、どんな味なのだろう。

煮物

厚揚げ、シイタケの入った煮物もおいしい。

これから、ワカメの入った若たけ煮、鰹節で煮込んだ土佐煮を食べるのも楽しみだ。

あく抜き

ここからは私の考えだ。

映画「黄金狂」の中で、チャップリンが革靴を食べた有名なシーンがある。

食べるものがない中でチャップリンは、ゆであがって柔らかくなった革靴を本当においしそうに食べていた。
確か、靴ひもも、スパゲッティのように食べていたのを思い出す。

私たちの先祖がタケノコを食べ始めたのは、生きるためだったのに違いないと思う。

そして、処理が厄介なタケノコを調理する方法を考え・工夫し、それを今の世代まで伝えてきたのだ。

それこそが人間の知恵であり、文化なのだと思う。

今、私たちは、歴史上、極めて豊かな食生活の中で暮らしている。

先人たちが生きるために食べたものを、今は「季節を味わう」という贅沢のなかで食することができる。

自然の恵みといのち、そして先人の知恵に感謝しなければならないと思う。








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プロフィール

め組のかった

Author:め組のかった
「惑わず」の年から走り始めて四半世紀。還暦で初フルマラソンを走り、2010年には66キロのウルトラを制限時間ギリギリで完走。現在も月に200キロ以上を目標に走り込みながら、写真を撮っている。
このブログは、ジョギング中に撮り貯めた写真によるフォトエッセイを目指している。
タイトルは「おくのほそ道」をもじってみたのだが、さて、わかるかなあ?

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