昔は地下足袋でマラソンを走った

スポーツ博物館

東京・新宿区の国立競技場内にある「秩父宮記念スポーツ博物館」。

日本のスポーツの歴史に関わる貴重な資料が、多数展示されていて楽しい。

今回は、ランニング・マラソン関係の資料の中から面白いものを紹介しよう。

日本初のマラソン


まず、日本初のマラソン競争を伝えるニュース記事から。

初のマラソン競争は、明治42年(1909)、神戸~大阪間で行われた。
距離は20マイル・32キロで、42.195キロではなかった。

出場資格は、20歳以上30歳以下。
この時出場したのは、体格検査のあと実地競争試験を行って選抜された20人だった。

レースの写真

優勝タイムは2時間10分54秒。

現在の箱根駅伝のランナーだとキロ3分ペースだから、この距離なら1時間30分ぐらいで走る。

しかし、現在と単純に比較することはできない。
今とは、生活や仕事の環境も、コース条件も、靴や服など用具も大きく異なるからだ。

このうち、当時の選手たちの足回りがどんな具合だったのかを物語る面白い資料があった。

地下足袋

マラソン足袋と紹介されている。

作業労働用の足袋に地下足袋という履物があるが、まさに見た目はあの地下足袋と同じだ。
今では、お祭りの神輿を担ぐときなどに履くものと似ている。

しかし、説明を見ると、ランニング黎明期の選手たちの履いていたものはゴム底ではなく、刺し子・つまり、布を当て針で縫いこんで補強したもので、足裏がすぐ痛くなってしまいそうだ。

金栗四三

「日本のマラソンの父」ともいわれる金栗四三。
明治43年(1910)頃の写真でも、マラソン足袋を履いている。

ウィキペディアで人物像を調べていたら、大変面白いエピソードが書いてあった。

「1911年(明治44年)、翌年に開催されるストックホルムオリンピックに向けたマラソンの予選会に出場し、マラソン足袋で当時の世界記録(当時の距離は25マイル=40.225キロ)を27分も縮める大記録(2時間32分45秒)を出し、短距離の三島弥彦と共に日本人初のオリンピック選手となる。

翌1912年(明治45年)のストックホルムオリンピックでは、レース途中で日射病で意識を失って倒れ、近くの農家で介抱される。その農家で目を覚ましたのは、既に競技も終わった翌日の朝であった」

そして話の舞台は、オリンピックから50年余り経った昭和に移る。

「1967年(昭和42年)3月、スウェーデンのオリンピック委員会から、ストックホルムオリンピック開催55周年を記念する式典に招待された。ストックホルムオリンピックでは棄権の意思がオリンピック委員会に伝わっておらず、「競技中に失踪し行方不明」として扱われていた。
招待を受けた金栗はストックホルムへ赴き、競技場をゆっくりと走って、場内に用意されたゴールテープを切った。この時、『日本の金栗、ただいまゴールイン。タイム、54年と8ヶ月6日5時間32分20秒3、これをもって第5回ストックホルムオリンピック大会の全日程を終了します』とアナウンスされた。この記録は世界一遅いマラソン記録であり、今後もこの記録が破られる事は無いだろうと言われている」

こんなエピソードが書かれていた。

とてもいい話だ。

箱根駅伝

金栗四郎は、大正9年(1920)から始まった箱根駅伝の開催にも力を尽くした。
いまでは、箱根駅伝はすっかり正月のスポーツ行事として定着している。

100キロマラソン

今ではフルマラソンは勿論、100キロマラソンなどフルマラソンより長距離を走るウルトラマラソンは大盛況で、各地で大会が開かれている。

昭和14年(1939)年に100キロマラソンに出場した選手の記録があった。14時間台とある。

現在100キロマラソンの世界記録は男女とも日本人選手が持っていて、
男子は6時間13分33秒。
女子は6時間33分11秒。

昭和14年当時の半分以下のタイムになっている。

今のシューズ

博物館には、高橋尚子、野口みずき選手の履いたシューズも展示されている。

オリンピック優勝の陰には、シューズ技術の発達があったことは間違いない。

ところが、今レースに参加する人にもいろいろな人がいて、100キロマラソンに背広姿、足元は革靴で、制限時間内に完走する人もいるというのだから面白い。

とはいえ、そんな人は例外。
ほとんどの市民ランナーは、シューズの改良、発達のおかげで、これほど多くの人たちがフルマラソンに挑戦できるようになったのだろう。

不忍池で

先日、上野の不忍池の周りを走っていたら、こんな碑を見つけた。

駅伝が始まっておよそ100年経つ。
その中で幾多の名選手が生まれ、日本は世界のマラソン界のトップグループで活躍してきた。

そして今、一部の選手だけでなく、多くの人たちが走りを楽しむ時代になってきた。

2月26日の東京マラソンは、今年で6回目。
年々、人気は高まるばかりだ。

今年も、我が家の前の通りは、多くのランナーたちと応援する人たちで埋まることだろう。
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プロフィール

め組のかった

Author:め組のかった
「惑わず」の年から走り始めて四半世紀。還暦で初フルマラソンを走り、2010年には66キロのウルトラを制限時間ギリギリで完走。現在も月に200キロ以上を目標に走り込みながら、写真を撮っている。
このブログは、ジョギング中に撮り貯めた写真によるフォトエッセイを目指している。
タイトルは「おくのほそ道」をもじってみたのだが、さて、わかるかなあ?

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