池波正太郎記念文庫 

ネットで図書館を調べていたら、「池波正太郎記念文庫」なるものがあって、とても充実しているというので出かけてみた。

台東区中央図書館

記念文庫があるのは、台東区西浅草の台東区立中央図書館。

台東区立生涯学習センターの1・2階が中央図書館だ。

池波正太郎は大正12年、浅草区聖天町(現在の浅草7丁目)に生まれた。
37歳の時、「錯乱」で直木賞受賞。
その後「鬼平犯科帳」「剣客商売」「仕掛人・藤枝梅安」など数々の人気シリーズを執筆し、吉川英治文学賞・菊池寛賞などを受賞。
平成2年、67歳で亡くなったが、今も熱心なファンが数多くいることで知られる。

文庫の入り口

記念文庫は1階の入り口を入ってすぐのところにある。
パンフレットには、こう書いてある。

「池波正太郎記念文庫は、上野・浅草を故郷とし、江戸の下町を舞台にした「鬼平犯科帳」など、時代小説の傑作を多数発表した池波正太郎の業績や作品の世界を広く伝えるため、池波家及び多くの方々の協力で平成13年に開設しました。作品に関する様々な資料を収蔵し、書斎の復元や著作・自筆原稿・絵画等の一部を常時展示しております」

現在の企画展

丁度今は、自筆の絵画展が開かれていた。

この絵のタイトルは「夕焼けの赤羽橋」。


「見た覚えのある風景だ」という人も多いことだろう。

書かれたのは昭和58年、30年近く前になる。

現在の様子を写真に撮って、この絵と比較してみた。

赤羽橋の上から、夕焼けに染まる古川と首都高速道路を描いたものだ。

赤羽橋

正面に高層ビルができていた。
夕日がこの絵のように鮮やかには見えなくなっている。

池波正太郎がこの絵を描いたとき、鮮やかな夕焼けが眼前に広がっていて、その一瞬を絵の中に閉じ込めたいとの衝動を感じたのだろう。

私は地元だから、きっと同じような風景を何度も見たはずだ。
しかし、絵にかいたり、写真に収めたいとの思いを感じたことはなかった。

この絵は、単に美しいだけの風景画とは違う。
絵の中に街があり、暮らしがあり、時がある。

だから、この絵の中に何とも言えない「懐かしさと愛おしさ」を感じる。

その色使い、タッチに独特の味わいがあるのも、その理由の一つだろう。


展示の中には小学校の通信簿もあったが、図画の操行をのぞいて、すべて「甲」だった。
「先生が、図画の時間に絵を描くことをさせずに、ほかの授業を始めたので抗議したら、操行・つまり授業態度を『乙』にされた」というエピソードが紹介されていた。

子供のころから絵を書くことが大好きだったという。

自分の小説の挿絵も書いているが、見事な絵で感心する。

自筆原稿

自筆の原稿も多数展示されている。
推敲のあとが読み取れて、興味深い。

登場する場所の地図

江戸時代の大きな地図に、作品に登場する場所をプロットしたものも興味深かった。

そうした場所を訪ね歩くファンも多いと聞く。

時代小説コーナー

展示の中で私がもっとも興味深かったのは、「時代小説コーナー」だ。

戦前の貴重本から現代の人気作品まで、時代小説が幅広く収蔵されているほか、「江戸商家・商人データ総覧」「江戸の物価事典」「江戸時代制度の研究」「姓氏家系大辞典」「江戸名所図会」「江戸語大辞典」「御仕置例類集」などの関連書籍が実に充実している。

私の家の近くにあったら、毎日でも通いたいくらいだ。

池波正太郎ファンのみならず、時代小説の好きな方、江戸時代に関心のある方は、是非のぞいてみることをお勧めする。

場所と利用時間

場所と利用時間は、ご覧のとおり。

前にも少しお話したが、最近の図書館は総じてお役所らしからぬ頑張りようだ。

今は、「毎週月曜は休館日」などというのは少ないのではないか。
台東区も港区も日曜を除いて夜8時まで開いているし、千代田区に至っては夜の10時までの開館が普通だ。

せっかくの取り組みだから、私もせいぜい利用させてもらおうと思う。
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プロフィール

め組のかった

Author:め組のかった
「惑わず」の年から走り始めて四半世紀。還暦で初フルマラソンを走り、2010年には66キロのウルトラを制限時間ギリギリで完走。現在も月に200キロ以上を目標に走り込みながら、写真を撮っている。
このブログは、ジョギング中に撮り貯めた写真によるフォトエッセイを目指している。
タイトルは「おくのほそ道」をもじってみたのだが、さて、わかるかなあ?

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